願わくば、みかんの花咲く里で

間もなく80歳。笑いながら、怒りながら、もしかしたらべそかきながら、自分を励まして生きていく記録

伝統工芸を引き継ぐ人たち

  図書館を出たところで、赤い幟旗が目をかすめ、

🤔んっ、なんだ? 中野区伝統工芸展?? 

  じゃ、ちょっと寄ってみようか。

 実は、我が家の隣の人も、伝統工芸品を作る仕事をしているので、あの人も出展しているのだろうなという興味もあった。

 

 中野ゼロホール西館1Fに受付があり、2F、3Fが展示会場になっていた。

 1F受付でもらったパンフレットによると、20人の人が「中野区伝統工芸保存会」に所属しているらしいが、本日出展は12~3人くらいらしかった。

 それでも、何の特徴もないと思っていた中野区に、伝統工芸の世界を営々と守り続けている人々が20人もいた、これは大きな驚きだった。

 隣のオヤジさんも、もちろん出展していた。隣とはいえ、あまり顔を合わせることもなく、特にここ3年ばかりはマスクで、お互い顔の1/4しか見せ合わないから、あのオヤジさん(今はジイさん)こんな顔だったのかと思ってまじまじと見た。先方も私の顔が分からないようだった。

 でも驚いた。2つ目の驚きは、あの超セコ・オヤジがこんなに繊細な工芸品を作っていたということ。

 この人は、隣に移り住んでかれこれ30年になるだろうか、とにかく25~30年位前に、先代の跡を継ぐために移り住んできたのだが、その時、家も建て替えることになって、土地の境界線の事で話し合うことになった。その時のちょっとした言葉だが、信じられないようなセコイことを言われてびっくりした。

 もしかしたら私の聞き違いだったか…と思っていたのだが、その後、何かの折に、その反対隣の奥さんも同じようなことを言われたと、えらく憤慨していたので、これは気をつけなくちゃと再確認したのだった。

 ということで、その後(その後がすでに30年)、この人とは面と向かった挨拶以外は言葉を交わしたことがなかったが、今日はあのセコ・爺さんのどこからこんな繊細な作品が生まれ出てくるのかと驚かされた。

 こんなにすばらしい工芸品、見回っていると、買いたくなるものがたくさんあり、また今財布に入っているお金で買えるものもたくさんあった。

 でも、ぐっと我慢して買わなかった。😥

私には感動すると財布のひもを緩めてしまうという悪い癖があるから。