願わくば、みかんの花咲く里で

間もなく80歳。笑いながら、怒りながら、もしかしたらべそかきながら、自分を励まして生きていく記録

ピンクの晴れ着、赤い着物

 2、3日前のこと。

 中野ブロードウェイの商店街にぼんやり立っていたら、あれっ!?

妙齢の(70代?)の女性が、北から南へとさっさっさっ………小走りに近い脚運び。

ピンク地に細かい模様が付いた着物同じくピンク地だけど模様は違う羽織。頭は私みたいにばさばさ髪。荷物は手提げ一つくらい持っていたか??

それで、何の急ぎの用事があるのか、さっさっさっ………。

 

 10分ぐらいしたら、あれっ!、さっきのピンクさんです。

今度は南から北へさっさっさっ………。

 どう見ても(遠くからだから、はっきりしないけど)あの着物も、羽織も、おそらく彼女が17、8歳のころ親に作ってももらった晴れ着、60年以上前の晴れ着です。

 その晴れ着を着て、だけど今日は普段着として着てるから、お出かけではなく、そこら辺の用事に、したがって頭はセットもせず、ばさばさ髪で……。

 そのおばさんのありようが、何とも好ましい。

むか~し、むかしの晴れ着、ピンクの晴れ着、今、ちょっと着てみる。それで外出してみる。こういう生き方って、ありだよな~。

 私まで60年前に戻ったように、何とも温かい気持ちになった。

 そうだ、私も今日は赤い着物着て行こうっと! 

これは、50年前に作った着物。親に作ってもらったものじゃなくて、ちゃんと自分の給料で作った着物です。

ばさばさ髪だけど、それでもいいでしょ。