現在、私は週3日、リモートでミャンマーの日本語学校の会話を教えている。
今月、久しぶりに❝卒業生クラス❞の会話を何時間か担当した。❝卒業生クラス❞というのは、日本語能力N3レベルまでのコースを修了し、日本で就業できる日を待っている子たちのクラスである。コースを修了したといっても、本当にそのレベルに達している子は60%弱で、実際に日本人との日常会話となると、さらに難しい。
ということで、❝卒業生クラス❞を担当した場合、教科書はないので内容は教師に任されるが、❝在校生クラスで学んだベーシックな日本語を使って日本での言語生活能力を高める指導❞とでも言おうか、結構広範な指導力が必要となる。
さて、今回❝卒業生クラス❞の1時間目は「ほっとする食べ物」というテーマで広く国によって違う食習慣・食生活について話題にし、食についての感想を話せるようにするという授業を計画した。その中で、ある会話本を参考にして
「(日本)の親子丼 は 外国人には 甘過ぎませんか / 量が少なくないですか」
というような言い方を練習した。
このクラスには、数日後に日本に向けて出国する子もいるので、そこから
「この文型を使って、日本のことで知りたいこと、心配なことを先生に聞きましょう」という話に転じることにした。
早速ノーテンキ坊やが
😲:先生、日本のタクシーは高くないですか?
😠(ぬぬっ。何でタクシー?😵💫 もっとほかに大事なことで、知りたいことないの?
タクシーなんて金稼ぎに行く者が乗るものじゃないだろ! 私だって乗らないよ)
:はい、タクシーは高いです。ミャンマーではよくタクシーに乗りますね。
でも、日本では電車もバスもたくさんあります。
私は高いの嫌ですから、特別な時以外はタクシーに乗りません。みなさんも、
日本に行ったら、電車やバスに乗りましょう。
と、このヘナチョコ教師=私は お茶を濁して、この話を終わりにした。
ミャンマーではタクシーがたくさん走っていて、料金はその都度交渉で決める。(上の写真、男性が料金交渉をしている)
私はミャンマー語がほとんどゼロだったし、例え数字ぐらいは言えたとしても、ある場所までの距離も分からないし、そこまでがいくらなら妥当なのかも分からなかった。それで、一人でタクシーに乗ったことはなかった。
私が住んでいる所から30~40分かかる介護コースの校舎まで、週3回通っていたのだが、いつもミャンマー人の先生に同乗してもらっていた。今思い出してみれば3000チャットくらいで交渉していたように思う。運ちゃんが4000と言うと、Soe先生は断って、次のタクシーを探していた。3000チャットは日本円で210円である。安い!すご~く安い!
さて、その次の日、別の❝卒業生クラス❞で同じテーマの授業をしたら、またもや
😲:先生、日本のタクシーは高くないですか。
どうして高いんですか?
2度目の同じ質問である。この日の学生の方が私の話が理解できそうなので、なぜタクシーを話題にしたのかと聞いてみたら、最近のテレビニュースでそういう話があったとのこと。
これじゃあ、今度同じ質問があったら、ちゃんと答えた方がいいだろう。
それで翌日NETで調べてみたら、これまたサイトによって答えが違うので難しい。日本のタクシーは「世界で2番目に高い」と言っているサイト、「世界的にみると高いけど、先進国の中では安い方」と言っているサイト、その理由も様々。
日本のタクシー代が高い理由は、多岐にわたっており、生徒たちの日本語レベルではとても理解させられない。
もう、ちゃんと答えようなんて努力はやめよう。
も、いい! 人件費が高いし、タクシーの設備維持のため………。
ああ、これだけでも難し過ぎ!!
🥰:とにかく高いから、タクシーには乗らないで、電車やバス……、🚋🚌
う~ん、電車やバスも高いな~、
給料もらったら、🚲自転車買いましょうねぇ。